arai blog

振り返りや日々学んだ事を書きます。

UX KYOTO2014#02カップ焼きそばオブザベーション(観察法)後半 【ワークショップレポート】


タイムスケジュール
・9コマシナリオ
 プロトペルソナ作成
 ユーザーの使用状況の記述
 
・プレゼンテーション

課題
「京都フーズ」は、コンビニに置くカップ焼きそばの新パッケージを開発しようと考えた。
 今回はエスノグラフィック的なアプローチから、ユーザーに新しい経験(UX)を与えるような斬新なパッケージを提案しなさい。
 
ポイント!
 
コンセプトの定義
プロトタイプを含めたデザインの実施に先立ち、ユーザーの経験や提供価値、
仕様などを開発メンバーで共有化すること。
一言ではなかなか説明出来ないので、ペルソナを作ってこの人が幸せになります!と言う伝え方をしてみよう。

 
ユーザーの経験や提供価値
1)モノではなくコトで考えられているか?
2)ユーザーの利用状況(コンテクスト)と得られるUXのゴールが明快か?

私達のグループは前回と全く同じメンバーが揃っていました!
 
最初、前回発見した本質的欲求を参考にペルソナを組み立てようとしていたのですが、
浅野先生が
「要素から抜き出してペルソナを作ってもいいけど、
ユーザーテストをする時にそのペルソナに合う人を連れてくるのが大変だよ。笑」
とおっしゃっていて、確かに・・・!と思いました。
 
ペルソナが決まったら、そのペルソナの新しいパッケージの利用状況をB5用紙枚で書き表していきます。
(9コマシナリオ法。ユーザーが幸せになるストーリーを描いてゆく。)
 
 
なるべくラフに書く!丁寧に書いたらそのキレイさに騙されるそうです。笑

 
 
カップ焼きそばを作る手順の中に、何回も汚れてしまう場面があるというのを可視化。

出来上がり!
「イラっちな子育てママ」が「作るとき食べるとき捨てるとき 汚さないパッケージ」で幸せになるストーリーです。
 
仕事が忙しく、残業から帰ると子どもがお腹を空かせて待っていた。
疲れているのでカンタンに焼きそばを作って食べさせてあげたい!
 
作るとき
ソース・かやく・ふりかけを押し出すことで、フタを閉じたままで投入出来る!手や机を汚しません。
食べるとき
食べている途中かやくと麺が分かれてきたら、フタを閉めてフリフリ!周りに飛び散らず、汚さず食べられます。
捨てるとき
個包装のゴミが出ない!ケース1つを捨てればよく、台所が汚れません。
 
得られたUX
素早く、楽に、キレイに子どもに食べさせられた。
 
継続利用したイメージ
楽しく食べられる。
ソースの濃さや混ぜ具合を調節出来て、飽きのこない焼きそば!

 
手順の中の苦痛の部分を減らしたパッケージの提案となりました。
 

 
各グループプレゼンです。
 
ペルソナがしっかりと設定されていたので、各グループ利用状況もイメージしやすかったです。

 
そして浅野先生のまとめです。
やはり2回に分けて行ったので、じっくり問題発見が出来た。各グループいい提案がでたのではないかと言っていただけました。

 
・面白い商品だからって買うのは1回だけ、一時的UX。目指すは繰り返し、累積的UXというお話。
累積的UXの成功例:サッポロ一番みそらーめん
この商品は調味料を加えたり野菜を入れることでより美味しくなったりする。
なので、カスタマイズする楽しさや冷蔵庫のクズ野菜処理の役割として繰り返し利用されています。
 
実は今回の題材であったペヤング焼きそばも累積的UXに成功しています。
ペヤングはとにかくシンプルで、シンプルだからこそ飽きない。シンプルな程色々な人に対応しやすいからです。
なのでパッケージを考える時に、機能を増やして魅力を増やそうとするやり方はサイテーだそうです。

 
・観察をすると、新しいニーズが見えてくる、というお話。
ペルソナを作るのも観察をするにも、利用シーンを見つけるため。
新しいシーンが見つかったとき、それは新しいニーズでもある。

 
 
 
前編後編を通して、ペルソナの意味、観察する意味、ストーリーを作る意味の全てが繋がって理解出来たと思います。
そしてやはり、時間をかけないとここまでの提案は出来ないのだとも学びました。
キャズムを埋めるための調査、分析。からの洞察、問題発見。
一見遠回りに見えるかもしれない作業ですが、本当は一番確実で近道なのですね・・・!
普段の何気ない生活にも取り入れて、じっくり身に付けていこうと思います。