UX SHIGA #03
10月12日に行われた成安造形大学公開講座 UX SHIGA #03に、情報デザイン研究会として参加しました。
今回は前回からの続き、観察の記述です。
前回のオブザベーションで発見した問題点に合ったペルソナを立て、9コマシナリオを作成していきます。
私はまたワークショップの観察者として参加しました。
観察者としての振り返り
まず振り返りを書くのが出遅れてしまったことから書きたいと思います。
ブログを書きたくなくて書きたくなくて、ワークショップからもう一週間経ちそうです。
前回は気付いたことがたくさんあって早く文章にしたかったから、ブログを書くのが苦ではありませんでした。
でも今回はなんだかどうしても気が乗らなくて、途中研究会のメンバーと話し合ったりもするんだけど、どうも自分の中がぼんやりしたままでした。
多分そのぼんやりが私の「ブログ書きたくない病」の原因なのだけど・・・。
一体何がぼんやりなのだろう。
それをずっと考えていました。前回はそんなことなかったのに・・・
そこで前回の自分と今回の自分の何が違うのか比較してみようと思いました。
前回の私
・「観察する」とはどういうことか、感覚を掴もうと必死。超集中。
・ワークショップの中で起きていること、先生の言葉、全てに関係性を見出そう(自分なりの仮説を立てよう)という態度で観察していた。
今回の私
・前回のブログを先生にちょっと褒められ油断していた状態。「前回できたから今回もうまく観察出来るはず!」
・自分を過信したことで、各チームの観察時、自分がただ見て記録しているだけの状態に陥っていることに気が付かなかった。
前回の私と今回の私、比較して分かったことは「できた『つもり』になっているかいないか」でした。
今思い返すと、これを象徴する瞬間があったように感じます。
そもそも今回の課題は
「SHIGA食品」は、コンビニに置くゼリーの新パッケージを開発しようと考えた。
今回は行動観察から、ユーザーに新しい経験を与えるような斬新なパッケージを提案しなさい。
というものだったのですが、終盤あるチームがペルソナにこだわりパッケージを全く考えていない、という状況になったのです。
その時私は会場全体を見て回っていて、他のチームはみんなパッケージの話をしている事に気付いていました。
そして「みんなと違う動きのチーム=間違えているチーム」と考え、このチームも早くパッケージを考えるべきじゃないか・・・という目で見ていました。(この時まだ観察できてる気満々)
でも途中浅野先生が「パッケージ作らないでくださいよ!」とアナウンスされました。
あれ?だけど先生、課題に「パッケージを提案しなさい」って書いてあるじゃないですか・・・と私質問。
「そんなのひっかけに決ってんじゃん」と浅野先生。(ニヤリと笑いながら)
そっかーーー!!
ここでやっと、今回の連続講座の目的を思い出しました。
私達は、UXを学びに来ているのだった。モノではなくコトを見るためにはどうしたらいいのかを学びに来ているのだった。
その意識を持たずに課題に向き合ったから、私はいつの間にかモノを見始めていたのだった。
きちんとコトを見る意識があれば、会場全体がパッケージの形について話し始めた時にきちんと疑問を持てたはずだった。
まとめると今回の私は、「できたつもり」によって思考停止になり、課題が出されている意味に対して問いを立てずに観察を行ってしまった。
それにより、観察から得た気づきが少なく、終わった後ぼんやりしてしまった。
この経験から・・・慢心は怖いなと感じました。
今自分は物事を正しく見ているか?不安だからその不安を埋めるために、注意深く思いを巡らせる。
このような謙虚というかちょっと不安な気持ちが、観察には向いているのかもしれないと思いました。
ベルソナについて
とりあえずどこまで分かっているか確認のため、ペルソナを立てる意味について自分の言葉で書いてみます。
最大公約数にすっぽり収まるペルソナはだめで、ちょっとだけ被ってるペルソナにする。
なぜなら私達はユーザーの体験をより良くしたいから。そして体験(ストーリー)は人の数だけあるので、手段(ゼリー)は同じでもその人の趣味嗜好によってゴールへの筋道は変わるから。
それぞれ違うストーリーの人達みーんな幸せにしたい!からスタートすると、全部は見れないし、誰のどこをピックアップするのかでカオスになる。
だからとりあえず特定の誰かにクローズアップするけれど、その人のストーリーが「あるある〜」って思えるものだったら、それって他の人のストーリーにも転用できそう。
ニッチなサービスを考えるときは「あるある〜」じゃなくていいのかな。
そして観察していて思ったのは、普段から人を見ていないとそもそもペルソナは作れないのかもということ。
浅野先生は「前回発見した問題点に当てはまる人を、ペルソナに選んでください。」と仰っていたけれど、記憶の中の「人間観察記録」が膨大でないとそれってスッとは出てこない気がする・・・!
チームの皆さんが悩んでいたのもすごく分かる気がした。
自分の中の「人間観察記録」のバリエーションが少ないと、参考にするもの自分の経験くらいしかないから、結局主観になってしまうのだなぁ。
その後・・・大学近くの駅でも観察について考えていました。
確かに実は人のことってそんなに見てないな・・・
そう思い目の前にいる作業員のおじさんを観察してみた。
脛に何か防護カバーみたいなものを付けている。
よく見ると他の作業員のおじさん達も全員脛カバーを付けている。
おじさん達は線路の下に降りていき、作業を始めた。そこにはバラスト(砂利)が斜めに盛られ坂になっていて、おじさん達はその前に立っている状態。立っているというか前向きに坂にもたれかかっている感じでなにやら作業をしている。
坂にもたれかかると、脛にバラストが当たるんじゃないかしら・・・だから脛カバーを?
というのが私の仮説です。
(直接話しかけ確認する勇気は出ず、まだまだ観察者への道のりは長いと思いました。)
まぁだから何?っていう脛カバーの話なのですが・・・
その時は役に立たなくても、人に対しての「どうして?」を常日頃意識し続けることが大切だと思えるようになった、ということなのです。
観察を続けて、たくさんの人間観察記録を集める必要がある。(マイレージを貯める)データが豊富だと、洞察もたくさんできる。(マイレージをどこで使うか考える)
研究会として
ワークショップが始まってすぐ、立ち上がる人がたくさんいた。
前回の学生がうろうろしているのが影響したのだろうか・・・!
自分達のパネルを見に行ったり、他のチームの偵察に行ったりしていた。
そうして最初が活発だった分、後半行き詰まって席で話し込むチームが出た時にとても目立った。行動が、チームが順調か否かを見分けるヒントになっていた。
私達観察者はその行動を見られるけど、本人達にも後で見て知ってもらいたいね、という話が出た。
次回は特徴的な行動の瞬間を写真に撮って、最後に共有できるようにしてみたい。
研究会メンバーも前回より積極的に質問をしていた。
質問が浮かぶってことは、知りたいことがある、つまり問いを立てながら取り組めている証拠だ!と思って嬉しくなった。
ただ参加者の方から
「いろんな人に何度も同じ質問をされた」
というお話を伺った。
「そんなに何度も同じこと聞かれるってことは、私達変なことしてるのかな?と考えるきっかけになった。」
と言ってはくださったけど、質問攻めで作業の邪魔をしないように気をつけたい。
少しずつメンバーの「洞察する力」がついてきて、
前回書いた
現状から何を見つけ考えたのか、まずはそれから。そうすれば、自然と自分達が何をしたいか(目的)が明確になるはず。
私達がすべきことを見つけたい!
の部分がはっきりし始めています。
私達は参加者のみなさんとこうなりたい!という気持ちが生まれています。
今回行った新しい形のアンケートもその1つです。
懇親会時ちょっとした発表にチャレンジさせていただきましたが、改良の余地たくさんありました・・・!
現在さらなる振り返りの仕組みをみんなで考えています。
facebookに投稿する予定なので、今しばらくお待ちいただけたら幸いです。
とりとめもなく書いてしまいました。以上UX SHIGA#03の振り返りです。
浅野先生、皆様いつもありがとうございます。