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振り返りや日々学んだ事を書きます。

UX KYOTO#04 カスタマージャーニーマップとRTD

11/23(日)にUX KYOTO#04 に参加しました。
今回はカスタマージャーニーマップのワークショップです。
#01でやった


UX KYOTO2014#01 カップ焼きそばオブザベーション(観察法)【ワークショップレポート】 - arai blog

のさらに進化バージョン。
それにプラスで常葉大学のみなさんのリアルタイムドキュメンテーション(RTD)付き。
思考プロセスを可視化してくださいます!贅沢~

 
タイムテーブル
13:00 講義・課題説明
13:45 インタビュートレーニング
15:00 インタビュー結果の記述
15:30 カスタマージャーニーマップの制作
16:30 新しいアイディアの検討
17:00 プレゼンテーション
18:00 終了

 
講義のまとめ
 
☆調査の目的は大きく分けて2種類あるというお話
1)Outside-in
まだ何か分からない事を明らかにする。
新しいコンセプトの開発が目的(潜在ニーズ探索)
・普段の生活でどんな事を行っているのか
・行為を通した価値観に着目
 
2)Inside-out
既にあるサービスの分析と改善(行動観察)
・現場の作法とサービスの適合
・作業方法の最適化、効率化
・現場での無意識の行為に着目

 
今回は1)のOutside-inをやります!

 
☆ペルソナの話
ペルソナを作る時、ついついプロフィールに凝りがち。
だけどそれよりもペルソナの利用状況の方が大事でしょ!
という事でペルソナシナリオ法はシナリオを大切にすべきだそうです。

 
☆サービスを作っているんだ、という感覚のお話
例えばメガネ。
「メガネ」というモノを作っているのではなくて、
「目がよく見える」というサービスを提供しているんだという感覚を持つ。
「モノを作っているんだ」と思っていると、いつまでもデザインのかっこよさや性能にばかり目が向くけれど、
「サービス」と捉えた途端、どんな人が、どんな時に、どのように?と視野が広がってくる・・・!

 
☆浅野先生の飛行機内でのお話
先生がある航空会社の飛行機内で眠っていた時の事。
CAさんに起こされ「飲み物を選んでください」と言われたそうです。
何があるんですか?と聞くと「そこに書いてあります」との事。
起きたてでぼんやりしているのに急に文字を読ませるのかよ・・・
そうして見つけた飲み物のメニューはわずか数種類。それなら口頭で教えてよ~っ!
というわけで、それ以降先生はその旅行会社を使わなくなってしまったそうです。
どんなに飛行機のスペックが良くても、チケットがすんなり買えたとしても、
たったひとつのタッチポイントがきっかけで、ユーザーはそのサービスを使わなくなってしまう事があります。
“私鉄経営の小林一三モデル”はその事を考えながら作られています。
まず、ユーザーはスペックで電車には乗りません。
会社が梅田・沿線に大学がいっぱい・終電が遅い・買い物は阪急でパート・・・
などなどたくさんのコンテキストに合わせているので「阪急線いいわ~!」となります。
ピンポイントではなくコンテキストで考える。この考え方がユーザー調査でも定着してきたそうで、
それが「カスタマージャーニーマップ」という手法で多く使われています。

 
そこで!今日の課題です。

 
“最悪の旅”のカスタマージャーニーマップをの制作
 
・まずグループ(5人)で1人5分ずつ「今までで最悪の旅」また「そこから学んだ事」について話していきます。
特に海外旅行の話にあらず。ジャーニーとは冒険。自分にとって「冒険」だった出来事について話す。

 
・次に全員の話から一番興味深かった話を一名(この人をリードユーザーという)選んで再度深く聞きます。(10分間)
利用前・中・後の物語がある話がよい。
プロセスをメモ。リードユーザーに自分を投影しない事。なぜなぜ5回で理解を深めよう。

 
☆インタビュー(質的調査)で大切な事
観察→発見→洞察 ここまでしないと調査したとは言えない!
観察→この間に問いを立てる事が大切→発見→洞察
カップ焼きそばの時にも習ったように、仮説検証ではなく、問いというところがポイント。

 
さっそくスタートです。
私達のグループの各最悪の旅
・帰省の時に大渋滞に巻き込まれほぼ一日車中の旅。
・空港でパスポートが失効一週間前という事が発覚(パスポートは失効3週間の余裕が必要)出国できなかった旅。
・出産直後の奥さんの元へ前日徹夜夜勤明けで向かったのに産後疲れの奥さんからお小言を言われちゃう旅。
・家族旅行中妹が遊覧船で転倒、鼻を骨折するも売店のおばちゃんに大丈夫大丈夫!と笑われる旅。その後手術した。
・軽音部の合宿を企画したのにキャンセル続出、旅行会社との交渉。前日ドタキャンのせいで向かう車中でお金のやりくりハラハラの旅。

 
どれもそれぞれの最悪さがありますが、利用前・中・後の物語がある話として、軽音部の合宿旅の人がリードユーザーに決まりました!
実は私と同じ部活だった先輩なのでちょっとドキドキしていました。笑
 
リードユーザーに再度深く話を聞いていきます。
この時に、なぜなぜ5回のやり方について知見がありました。
私達はRTDをしてもらってないグループだったので途中してもらっているグループを覗きに行ってました。
その時常葉の西村さんに、このグループはなぜなぜ5回が上手く深められてないと教えてもらいました。
本来なぜなぜ5回の質問はひとつの事について深めるために行うものだけれど、
このグループの場合1回目のなぜがら派生した別の質問が連なり、構造としては横に伸びてしまっているとの事でした。
このお話を踏まえて、メモしたポストイットを並べながら、
質問が深められているかをリアルタイムで確認しながら進められたと思います。
話した事をメモするだけじゃなくて、全体の構造を意識するだけで足りてない部分が分かったりして、だいぶ違うのだと思いました。

 
質問を終えたら次は
・プロトペルソナ
キャッチフレーズ・プロフィール・サービスを使う事で得られるゴール

・リードユーザーの脳内マップ
旅での価値観・人と違う行動

ステークホルダーマップ
旅においての人間関係
フロントエンド(直後)とバックエンド(潜在)の関係
を作成していきます。
ちゃんと写っておらず見えにくいですが、それぞれこんな感じです。
 
 
いよいよカスタマージャーニーマップを作っていきます。
カスタマージャーニーマップに決まった型は無いそうなので、今回はオーソドックスな型で行います。

 
タッチポイントごとにその時のリードユーザー・ステークホルダーの感情・行動・思考も書いていきます。(色分けすると見やすい)
RTDも各スペースでどんどん作られていきます!
 

話し込む安武先生と西村さん
一年生と二年生のチーム
 
カップ焼きそばのときと同様、心理曲線を書いていきます。
今回はステークホルダーの心理曲線も書きます。
 
心理曲線が落ち込んでいるタッチポイントに着目し、それを解決するアイデアを考えたら完成です!
が、
自分のグループのカスタマージャーニーマップの写メを忘れてしまいました。完全にRTDに夢中になってしまいました・・・

夢中になっていたRTDがこちら

そしてプレゼンです。

RTDでの解説もしてくださいます。
参加してなかったグループの流れが本当に分かっちゃってすごいです。
ていうか喋るのもめちゃくちゃ上手なのです。


後輩を後ろで見守る安武先生と先輩。
またしてもRTDから学んだ(思い出した)事がありました。
今回はOutside-in(新しいコンセプトの探索)をするんだったという事です。
RTDで他のグループが「この提案はInside-outでは?」と指摘されていたのを見てやっと冒頭の事を思い出しました。
私達のグループもわりと最後のサービス提案はInside-Outに近かったのでは・・・
ずーっと作業しているとつい忘れてしまいますが、やっている事のゴールを見据えながら進めるのが
ワークショップを成功させるコツだなあと思いました。

あと私達のグループのドタキャン部員の扱いについて。
ドタキャン部員をステークホルダーとしてしまうと、旅には参加していないし心理曲線は書けない。
でもタッチポイントとして扱うのも?という感じなのでステークホルダーでよかったのかな。
それと参加部員の心理曲線を私達が想像で書いてもいいのか!?と思いました。
あっ実際には参加部員本人が書くけど、多分今回はワークショップだからでしょうか??

 
最後の合評で浅野先生が
「なんでもアプリで解決しようとしてるけど、それって本当に最善?昔は人との関係で解決してきた。」
とおっしゃっていました。
なんだか難しいけれど、解決の手段にも発想の転換が必要という事なんだろうか。
そして「漫画喫茶に泊まろうと思ったら22時までの漫画喫茶しかなくて野宿した」グループを例に出されました。
スマホ世代の人は選択肢が少ないらしい。漫画喫茶の代案が咄嗟に出なかったりとか?
アプリ(=スマホ)はあるけどそれを使うために必要な発想とかがいるよなあ・・・
「人から答えは聞いちゃダメ。魚をあげるんじゃなくて釣り方を教えてあげる。釣り方こそがユーザーの本質的欲求では?」
この「釣り方」の部分を考えていかないといけないのかなあと思いました。
まだよく分からないですが、自分なりにも考えていきたいです。

そんなUX KYOTO、次回は3回シリーズの第1回目!
「ユーザー評価・前編(タスク設計)」です。
2014年12月13日(土)13:00~18:00/株式会社はてな セミナールーム
お申し込みはこちらからできます。
http://uxkyoto06.peatix.com
興味ある方はぜひ!

次回私は参加できなくてさみしい・・・

UX KYOTO2014#03 フィールドワークとKA法【ワークショップレポート】

フィールドワークとKA法のレポートです!

前半【講義のまとめ】

タイムテーブル

10:00 講義・課題説明・グループ分け
11:00 チームミーティング・フィールドワーク出発
14:00 再集合・KA法講義と写真の整理・プリント
15:00 フォトKA法の実施
16:00 価値マップの作成
17:00 プレゼンテーションスタート(1チーム15分)
17:30プレゼン終了・講評
18:00 終了

課題
(株)KYOTOデザインは、「撮る」に関するWebサービスを企画しようと考えています。
まだほとんど具体的ではないので、ユーザーの本質的な価値に関しての基礎調査を行いたいと考えています。

1)チームで約3時間のフィールドワークを行う
2)様々なシーンで「撮る」に関わる人間の行動を写真かイラストに収める
3)KA法と価値マップで分析し「ユーザーの撮る事に関する欲求や価値」を発見してください

「人はなぜ撮るのか?」という撮影の体験を調査する

スマホの人は盗撮に間違われないように気をつけて、出発!
私達のチームは祇園辺りの観光客を観察する事にしました。




このおじさん、何の変哲も無いところを撮っているなあと思い話しかけたら外国の方でした!
日本人と見分けがつかないアジアの旅行客の人達が多かったです。

みんなと違う方を撮ってる人

撮影者だけでなく、何を撮っているのかも一緒に撮る!

ガラケーで記念撮影の日本人観光客のご夫婦。
ガラケーを見たのはこの時だけだったかも・・・!

たくさん撮影して、戻ります。
次のステップ!

フィールドワークのデータを分析する
1)撮ってきた写真を調査対象毎に10枚プリントアウト
2)写真が撮れてなかった事象はイラストで
3)KA法で価値を抽出
4)KJ法で価値マップを作成
5)価値マップによって抽出された行為の背景の全体像を報告してください

分析のポイント
個別の差異よりも、共通する生活価値やニーズの分析と理解が必要。(ルールの発見)
1人1人観察してたら、それぞれ被さってくる部分が出てくる。
多くのユーザーの最大公約数としての生活価値・ニーズが見えてくるはず・・・!

KA法
調査結果それそれの事実の背後にある「ユーザーにとっての価値」を抽出する方法。

KA法の価値モデリングの進め方

①KAカードを作る

観察やインタビューから得た行動データを「出来事」の箇所に30字程度で記載する。
出来事は「○○した」のような行動と、

「○○と感じた、思った」などの結果や感想を記載する。
→この作業を今回はフィールドワークで撮影した写真で代用します!
言語よりもさらに明確なメッセージを含んでいる・・・


②ユーザーの心の声を想像して書く
①で書いた出来事の状況を想像して「ユーザーの心の声」を一言で表現する。
なんで書くかというと、行為を分析して状況のイメージをしやすくするため。
できる限りベタに。「○○よねえ~」「○○なのよねえ~」
オネエっぽい言い方にするとなぜか分かりやすくなる!笑


③価値を抽出する
「出来事」と「心の声」を手がかりに、ユーザーの価値を抽出します。
動詞+価値で記載。

例)
出来事:パスタを電子レンジ専用の容器で作った
心の声:パスタが簡単に作れていいよね~!
価値:
時間を節約できる価値
   簡単に美味しいものが食べられる価値
 など

写真を見て「なぜこの人はこの行動をしているんだろう?」
と問いを立てると価値が見えてくる。



④価値マップを作る
1)KAカードの「価値」の欄を見て、似ている価値同士をKJ法でグルーピング。
・分類難しいものは後で!
・無理矢理とか大雑把にじゃなく、細かくグルーピング!
 だって例えば「記録」にも色々あるから。ライフログをとる、食べ物の記録、など

2)グルーピングした価値をまとめた中分類を作成
・中分類が4~7個くらい出来ればOK!
 この中分類がアイデアの種になる。
 ※中分類にも「△△価値」と付ける

中分類ができたら、A3コピー用紙に貼って丸く切り取り、大きな模造紙に構造化していきます。


プロセス、循環構造を意識すると良いそうです。
そしてキッチリ貼らないこと!

分析のポイントのおさらい
1人1人観察してたら、それぞれ被さってくる部分が出てくる。

この被さってるとこを見つけたいので、ゆるく、不定形で分類します。


なんども分けてはやり直しを繰り返します。

試行錯誤の跡。
こうやって「価値」で強制的に分けると、自然と洞察が入ってくるのがすごい!

そしたら構造化していきます。
サラサラ書いていく先輩がかなりカッケー・・・


そして価値マップが出来ました!
時系列でまとめて、大きく撮る事の価値と写真の価値に分けました。
各チームプレゼンを経て・・・

総評

行くと分かる。机上の空論ではなく実際に見る事が大切!
今回は
 ・外人が新しい取り方をしている
 ・意外とカメラマニアばかりではなかった京都
という事が実際に行って分かった!


現象を並べただけじゃ何にもならない。洞察が大事!

情報を構造化する。かたまりで捉えてかたまりで説明する感覚が大切!

今回は身近な人の何気ない行動にも価値がある事が分かりました。
価値は必ずあって、それを見つけられるかどうかなんだなと思いました。

それと、情報をかたまりで捉えられる力をもっと身につけなくてはと思いました。
価値マップの全体を、プレゼンしてもらうまで上手く捉えられませんでした。
偶然同じチームだった先輩はそれがめちゃくちゃ得意なんだろうなあと見てて思ってました。
構造していくプロセスを真横で見られたのが、分からないなりにもすごく勉強になりました。

目的を持って道行く人を見るのはそれだけで面白かったので、
遊びでもやりたくなりました。人を見るのは面白いと思いました。

UX KYOTO2014#03 フィールドワークとKA法【講義のまとめ】

10/19(日)にUX KYOTO#03 フィールドワークとKA法に参加しました。
この日はフィールドワークという事で、終日開催でした!

タイムテーブル
10:00 講義・課題説明・グループ分け
11:00 チームミーティング・フィールドワーク出発
14:00 再集合・KA法講義と写真の整理・プリント
15:00 フォトKA法の実施
16:00 価値マップの作成
17:00 プレゼンテーションスタート(1チーム15分)
17:30プレゼン終了・講評
18:00 終了

今回のフィールドワークは、ユーザー調査の手法のうちの1つです。

人間中心設計プロセスの設計

利用状況の把握と明示
(ユーザー調査 ex.フィールドワーク、オブザベーション、インタビュー)>この部分!


ユーザーの要求事項の明示

ユーザーの要求を満たす解決案の作成

要求事項に対する設計の評価

システムがユーザーの要求を満たす


トライアンギュレーション(方法論的複眼)の話
ユーザー調査する時に大切なのが、
三角測量、トライアンギュレーション(方法論的複眼)だそうです。
1つのデータ(方法)で物事を判断しちゃだめ、最低3つのデータから判断すべきだそうです。

定量調査と質的調査のお話
そこからアンケート(定量調査)だけでユーザーを判断してはいけないというお話へ。
アンケートを取れば真実が分かると思いがちだけど、それはマーケティングの大きな誤り。
アンケートのデータが全部間違っているわけではないけれど、
トライアンギュレーションで、3つのデータのうちの1つとして扱わないといけない!

パット・ムーアという1980年代を生きた85歳の老女がいます。
でも本当はこの人は26歳のプロダクトデザイナーだったんです!
彼女は、高齢者のためのデザインを創るために
3年間老女として暮らしました。(完全なる参加者としての参与観察)
「自分ではない誰かに共感して、どんな経験が求められるかを考える」事って
そのくらい難しい。その後彼女は高齢者向けデザインの第一人者になったそうです。
これくらいまでやらないと人の事って分からない。
観察(質的調査)の重要さが分かるお話でした。

調査の目的
調査の目的は大きく分けて2種類あります。
今回やる事
1)Outside-in
 まだ何か分からないことを明らかにする。
 新しいコンセプトの開発が目的(潜在ニーズ探索)
  ・普段の生活でどんな事を行っているのか。
  ・行為を通した価値観に着目

2)Inside-out
 既にあるサービスの分析と改善(行動観察)
  ・現場の作法とサービスの適合
  ・作業方法の最適化、効率化
  ・現場での無意識の行為に着目

今回の学び



課題
(株)KYOTOデザインは、「撮る」に関するWebサービスを企画しようと考えています。
まだほとんど具体的ではないので、ユーザーの本質的な価値に関しての基礎調査を行いたいと考えています。

1)チームで約3時間のフィールドワークを行う
2)様々なシーンで「撮る」に関わる人間の行動を写真かイラストに収める
3)KA法と価値マップで分析し「ユーザーの撮る事に関する欲求や価値」を発見してください

「人はなぜ撮るのか?」という撮影の体験を調査する

調査計画
1)観察の商店と対象を決める
焦点:
「撮る」の何を調査するのか?
・行為の背景(問いを立てる)何をしているんだろう?
・分からない時は、まず現場に行き暗黙のルールを見つける
対象:
・調査データを比較するために1チーム2グループに分かれる
・グループで調査対象を決める
 環境:屋内と屋外とかショッピングモールと古い店舗とか
 対象者:年配者・おかあさん・高校生・こども など
・1グループが環境と対象者の組み合わせで調査すること

チームに分かれる事で、比較ができる。比較によって共通点や違いが際立つ。
それと、調査の目的に応じて、どのようなタイプのユーザーを調査すればいいのかも検討する。
例)もっと車に乗ってほしい→車に乗らない人じゃなく車大好き改造しまくりな人に聞く!

カメラを持ってフィールドワーク開始!【ワークショップレポート】に続きます。

UX KYOTO2014#02カップ焼きそばオブザベーション(観察法)後半 【ワークショップレポート】


タイムスケジュール
・9コマシナリオ
 プロトペルソナ作成
 ユーザーの使用状況の記述
 
・プレゼンテーション

課題
「京都フーズ」は、コンビニに置くカップ焼きそばの新パッケージを開発しようと考えた。
 今回はエスノグラフィック的なアプローチから、ユーザーに新しい経験(UX)を与えるような斬新なパッケージを提案しなさい。
 
ポイント!
 
コンセプトの定義
プロトタイプを含めたデザインの実施に先立ち、ユーザーの経験や提供価値、
仕様などを開発メンバーで共有化すること。
一言ではなかなか説明出来ないので、ペルソナを作ってこの人が幸せになります!と言う伝え方をしてみよう。

 
ユーザーの経験や提供価値
1)モノではなくコトで考えられているか?
2)ユーザーの利用状況(コンテクスト)と得られるUXのゴールが明快か?

私達のグループは前回と全く同じメンバーが揃っていました!
 
最初、前回発見した本質的欲求を参考にペルソナを組み立てようとしていたのですが、
浅野先生が
「要素から抜き出してペルソナを作ってもいいけど、
ユーザーテストをする時にそのペルソナに合う人を連れてくるのが大変だよ。笑」
とおっしゃっていて、確かに・・・!と思いました。
 
ペルソナが決まったら、そのペルソナの新しいパッケージの利用状況をB5用紙枚で書き表していきます。
(9コマシナリオ法。ユーザーが幸せになるストーリーを描いてゆく。)
 
 
なるべくラフに書く!丁寧に書いたらそのキレイさに騙されるそうです。笑

 
 
カップ焼きそばを作る手順の中に、何回も汚れてしまう場面があるというのを可視化。

出来上がり!
「イラっちな子育てママ」が「作るとき食べるとき捨てるとき 汚さないパッケージ」で幸せになるストーリーです。
 
仕事が忙しく、残業から帰ると子どもがお腹を空かせて待っていた。
疲れているのでカンタンに焼きそばを作って食べさせてあげたい!
 
作るとき
ソース・かやく・ふりかけを押し出すことで、フタを閉じたままで投入出来る!手や机を汚しません。
食べるとき
食べている途中かやくと麺が分かれてきたら、フタを閉めてフリフリ!周りに飛び散らず、汚さず食べられます。
捨てるとき
個包装のゴミが出ない!ケース1つを捨てればよく、台所が汚れません。
 
得られたUX
素早く、楽に、キレイに子どもに食べさせられた。
 
継続利用したイメージ
楽しく食べられる。
ソースの濃さや混ぜ具合を調節出来て、飽きのこない焼きそば!

 
手順の中の苦痛の部分を減らしたパッケージの提案となりました。
 

 
各グループプレゼンです。
 
ペルソナがしっかりと設定されていたので、各グループ利用状況もイメージしやすかったです。

 
そして浅野先生のまとめです。
やはり2回に分けて行ったので、じっくり問題発見が出来た。各グループいい提案がでたのではないかと言っていただけました。

 
・面白い商品だからって買うのは1回だけ、一時的UX。目指すは繰り返し、累積的UXというお話。
累積的UXの成功例:サッポロ一番みそらーめん
この商品は調味料を加えたり野菜を入れることでより美味しくなったりする。
なので、カスタマイズする楽しさや冷蔵庫のクズ野菜処理の役割として繰り返し利用されています。
 
実は今回の題材であったペヤング焼きそばも累積的UXに成功しています。
ペヤングはとにかくシンプルで、シンプルだからこそ飽きない。シンプルな程色々な人に対応しやすいからです。
なのでパッケージを考える時に、機能を増やして魅力を増やそうとするやり方はサイテーだそうです。

 
・観察をすると、新しいニーズが見えてくる、というお話。
ペルソナを作るのも観察をするにも、利用シーンを見つけるため。
新しいシーンが見つかったとき、それは新しいニーズでもある。

 
 
 
前編後編を通して、ペルソナの意味、観察する意味、ストーリーを作る意味の全てが繋がって理解出来たと思います。
そしてやはり、時間をかけないとここまでの提案は出来ないのだとも学びました。
キャズムを埋めるための調査、分析。からの洞察、問題発見。
一見遠回りに見えるかもしれない作業ですが、本当は一番確実で近道なのですね・・・!
普段の何気ない生活にも取り入れて、じっくり身に付けていこうと思います。

UX KYOTO2014#02 カップ焼きそばオブザベーション(観察法)後編 【講義のまとめ】

9/28(日)に行われたUX KYOTO#2に参加しました。
今回は前回行った「カップ焼きそばを作って食べるまでの全行程の観察・分析」を踏まえて、ソリューション提案を行いました。

講義ではソリューション提案をするにあたってのポイントなどを教えていただきました。

 
・プロトペルソナ(仮説)について
 
必ずペルソナ(ユーザー)を定義しよう。
そもそもなぜペルソナを定義する必要があるのか?
それは、ペルソナを作るということは相手を知るということだからです。
UXって、対象となる人のことをよく知らないと生み出しようがないですよね。
だからUXを考える時にはペルソナ定義もセットで行うべきなのです。

 
そして適当にペルソナを作ってはいけません。
いろんな人に当てはまるように最大公約数のようなペルソナを作ってしまいがちですが、
それだと自分達では気が付かない問題発見には繋がりません。
なるべく特殊な特徴を持つペルソナを定義した方がいいそうです。
また、気が付いたら「ペルソナ=自分」とならないようにも気を付けた方がいいそうです。
なるべく客観的に見たいので、自分の属性・感覚とは離して考えること。

 
自分が共感しにくい特殊なペルソナを立てるのはなぜ?そのペルソナに当てはまる人自体少ないだろうし・・・
と、実は特殊なペルソナを立てる意味がよく分からずにいました。
そんな時にバンドエイドのオブザベーションのお話を聞き、なるほどと思いました。
例えば「自衛隊のためのバンドエイド」。自衛隊って結構特殊な定義ですよね。
でも自衛隊のために提案したことって、他の場面にも発展・転用出来るのです。
 
例:自衛隊の訓練用に「めっちゃくちゃ水に強いバンドエイド」作りました。
元々は自衛隊用だったけど、この「水に強い」という機能は工事現場や主婦の水仕事の場面にも転用出来る!
 
特殊なペルソナを立てるのは、気が付きにくいけど根源的な、みんなに通づる問題を発見するためなのだと思いました。

 
キャズム(深い溝)について
 
調査と設計の間にはキャズム(深い溝)がある!
デザイナーやエンジニアが陥りやすいワナだそうです。
大きな困難に挑戦するのはいいことだけれど、調査・分析が足りていないせいで洞察と問題発見が無い!
結果キャズムが大きくなり、難しいところに飛ぼうとして失敗しちゃう・・・ということだそうです。
これは、早く結果を出さなきゃと言われてきた今までの風潮の中ではピンと来ない感覚です。
でも言われてみると確かに、冷静に考えると確かに、
下準備が無いのにいきなり結果を出そうとするのは、無理がありますね。
 
短い距離を飛べるように、調査と分析から洞察と問題発見が必要!

 
それを踏まえて、前回の問題発見を見直してみます。

「(カップ焼きそば)のツメが開けにくくて困っていたので、それを解決する方法を・・・」
本当にそれでいいの??
「○○だ」と自分が判断しちゃっているだけじゃない?

 
観察をした時に
「ツメをどちらの方向に折るのか迷っている」
「ツメを折らずにお湯を注いでしまった」
「ツメを間違えて内側に折り、湯切りで麺が出てきてしまった」
などの行動観察が出来たとします。
 
この時に大切なのは、観察結果から「だから困っているに違いない!」に繋げないことです。
自分が判断してしまっている時点で、観察から発見は出来ていません。
もしロボットが同じ行動をしたとしたら、「困っている」と思うでしょうか。何か意味があるのだろうと思いますよね。
こんな風にロボットを観察するような感覚で観察すれば、純粋な問題発見がしやすいのかもしれません。

 
もう一つ、勝手に原因を判断してはいけない理由として
「ツメを折る際の変わった行動」の原因にもたくさんの種類がある、ということがあります。
何から始めればいいのかが分からなかったとか、手順を想像していたとか、想像通りにいかなかったとか。
 
原因もしっかり発見出来るように、観察の時にはなるべく細かく見る必要があります。(認知的ウォークスルーという手法がある)
細かく見ることはものごとを構造化することで、これが洞察であると言えます。

 

はてなデザイナーワークショップ2014

9/26(金)に、株式会社はてなで行われたはてなデザイナーワークショップ2014に参加させていただきました。

学生を対象に、サービス企画・ペーパープロトタイピングを通して「ウェブサービスをつくる面白さ」を体験するワークショップです。

スケジュール

はてなについて、ウェブサービスについての講義

・ワークショップ
課題説明
サービス企画
サービスシナリオ作成
ペーパープロトタイプ作成
ユーザーテスト説明
ユーザーテスト
課題の手直し
プレゼン
投票

・懇親会

講義
はてなでの仕事の進め方や、はてなの提供しているサービスについて説明していただきました。
はてなではコミュニケーションを促進するサービスを提供されているのですが、
サービスを作る時にデザイナーさんとエンジニアさんとの距離が近いというのが特徴だそうです。
また「ウェブサービスに終わりはない」ということで
・こつこつと改善
・シンプルに
・デザインにとどまらない
という事も大切にされているそうです。

そしてアイデアを形に落とし込むプロセスを、
実際にリリースされているアプリ「Presso」を参考に説明していただきました。
当時アプリ開発チームメンバーの皆さんが全員兼務だったという事もあり、
どうしてもプロジェクト立ち上げってエネルギーがいる…忙しくて中断しちゃう事もあるし…
という事で、最初に立ち上げ合宿を行われたそうです。

ワークショップ
プロの方々の仕事の進め方を教えていただいた後は、学生達がワークショップを行う番です。

<課題>
新しいウェブサービスを考えてください。

条件
・「情報を知る」or「自分を表現する」のどちらかを目的としたサービスにしてください。
・「コミュニケーション」の要素を含めてください。コミュニケーションの解釈は自由です。
・対象デバイスはスマートフォンです。(スマホのブラウザから見る、アプリにするなどサービス形態は自由)

3~4人のグループに分かれて行います。
そのうちの1人にペルソナとなってもらい、そのペルソナに向けたサービスを企画考案していきます。


私達のグループのペルソナ「日々外に出てストレス発散するスマホ女子」です。


ブレストしてアイデアを出していきます。


そして企画したサービス「tabiner(タビナー)」です!(旅+マイナー)

サービスが決まったらサービス利用時のシナリオを作ります。
9コマで起承転結のちょっと多い版みたいなシナリオをイラストで書き、
その下に「ユーザーが考えている事」もセットで、セリフのように書いていきます。
これをする事で使用前のUX、使用中のUX、使用後のUXが可視化されます。

シナリオに合わせてストーリーボードでUIも手書きで書いていきます。


出来上がった第一弾はこれ。
この時はグループ全員がまだ「出来た!これでオッケー!」と思っているわけです。

そこで、この思い込みのせいで不足や矛盾している部分をユーザーテストで探していきます。

事前準備
まずサービスがうまく使えるか検証するために「タスク」を設計します。

このタスクを被験者に達成してもらい、観察します。

進行者1人
被験者1人(他グループから)
観察者2人


頭では分かっているのについ、被験者は質問しちゃったり、進行者は指示しちゃったりしてしまうんですよね…難しいです。
被験者役が得意な人は「ひとり言」が上手なんだなあと、参考になりました。


そしてこれが手直しを加えた「tabiner」です!
ぱっと見だとよく分からないとは思いますが、結構たくさん直しました。
1番最初に必要な時間、場所設定などが丸々抜けていたり
まさに思い込みで作っていた部分があぶり出されていて面白かったです。

そして投票で、私達のチームは優勝をいただきました!!

素敵な景品を山分けです。私は「人間中心設計の基礎」という本をいただきました。ありがとうございます!!

あと、プレゼンの時参加者の皆さんのお話しがすっっっごく上手で、聞き惚れていました。
あの感じを目指そう…!と思いました。


株式会社はてなのみなさま、大変お世話になりました。ありがとうございました!

第15回情報デザインフォーラム

9/20(土)に、千葉工業大学で行われた第15回情報デザインフォーラムに参加しました。
私は、学校の課題で製作した、
忙しい日々の中に+αの時間を組み込むスケジュールアプリの提案パネルを展示させていただきました。



情報デザインフォーラムのタイムスケジュールは

・「放課後モノづくりとワークショップ」

コミュニケーションデザイン・ワークショップ

・サービスデザイン・ワークショップ

この後に各自の展示パネル発表に移っていきました。

放課後モノづくりとワークショップ

ソニー・エンジニアであり品モノラボの発起人である田中章愛さんのお話を聞かせていただきました。
品モノラボとは、エンジニアが集まって作られるゆる~いものづくりコミュニティのこと。
ゆる~いけれど、そこから仕事になっていくものもあるとか。
オープンイノベーションと共作は気軽な共同作業から生まれるそうです。
そして、「放課後=趣味」じゃなくたっていいのではないか、
「放課後=本業以外の仕事が生まれる場所」という考え方を知りました。
仕事の時間以外に、品モノラボのような学習・経験の場があって、
そこで新しいモノが生まれていくという新しい取り組みについてのお話でした。

コミュニケーションデザイン・ワークショップ


「自分の職業」を職名を出さずに、
イラストや図でインフォグラフィックスにして説明するワークショップです。

1.Aさんが図をBさんCさんに見せる
2.Aさんが図のコンセプトを説明する
3.Aさんはカーテン(想定)に隠れ、BさんCさんはどんな職業なのかを話し合う
4.3人で答え合わせ

3人グループで、それぞれ行います。
学生は将来就きたい職業を表現したのですが、
結構抽象的になってしまって伝わりにくくなってしまったなと思いました。

100人以上の「職業」が並びます。

サービスデザイン・ワークショップ

先ほど組んだ3人グループで行います。
飲食店でサービスを受けて嬉しかった体験・残念だった体験を
「ヒトの視点」「モノの視点」「ビジネスの視点」に分類していきます。
そして3人で1番嬉しかった体験・残念だった体験を決めるワークショップです。


とあるグループの発表。これは最悪ですね…!
このワークショップでのポイントは、ギャップでした。
「嬉しい!」や「残念…」という感情の前には必ず‘‘期待’’があるはず。
その期待とのギャップが大きければ大きいほど、良くも悪くもユーザーの体験は強いものとして残ります。
なので、サービスデザインを考える時には顧客の事前期待を把握・分類・整理するのが大切という事でした。




そして今回はなんとブースがお向かいという事もあり、常葉大学の方々に、直々に課題説明をしていただけました!
シビックプライド(市民の誇り)についての調査・分析や、伊東市の観光を考える合宿ワークショップについて説明していただきました。
私にはまだまだ難しくお話を聞くだけで精一杯でしたが、
こういった事に取り組んでいる学生の方がいらっしゃるという事にとても刺激を受けました。

フォーラム後の懇親会でも、先生方に貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。
今回展示させていただいた課題なのですが、実は手直しをしまくるうちに、迷走し続けていてモヤモヤしたままになっていました。
その事についてもお話をいただいて、大変勉強になりました。
後期もアプリの課題があるので、さっそく活かしていきたいと思います。

とても刺激的過ぎて、あっという間の1日でした。
今回得た色々な気持ちを大切にこれから頑張っていきたいと思います。